高論卓説

GWは日本企業を守る「障壁」か 再考すべき市場の長期閉鎖リスク (1/2ページ)

 今年のゴールデンウイーク(GW)は今上天皇の退位と新天皇の即位が重なり、10連休となる。国を挙げての慶事として、祝日とするのはこれまでの慣行から見ても当然のことだろう。10連休になる公務員や会社員もかつてない長期のGW休暇を楽しむことになる。

 だが、金融市場となると話がやや違ってくる。世界の市場が動いている中で、日本だけが10日にわたって市場を閉めることは、投資家にとって間違いなく大きなリスクになる。特に完全に休みになる東京証券取引所でしか売買ができない多くの個人投資家は、世界で大きな経済変動などが起きても、株式を売却する術(すべ)を失う。

 仮に何も起きなくても、10日間に起きた事象を5月7日に一度に吸収しなければならないわけで、GWを挟んで相場が大きく変動するリスクもある。東証は「市場の動向を注視するとともに、相場操縦などの不公正行為に係る監視を徹底する」とする異例の注意喚起を発している。つまり、10日間のブランクを利用した売買が横行する可能性があるとみているわけだ。

 市場が無事にこの10連休を乗り切ることを祈るばかりだが、そもそもGWに市場を閉めることの是非について、そろそろ議論すべきではないか。毎年この時期に日本の市場だけが閉まるというリスクを負っているのだ。海外投資家と話していて、「GWの休場は日本企業を守るための障壁なのではないか」という疑問をぶつけられた。というのも、アクティビストと呼ばれる物言う投資ファンドなどが、日本企業の株式を大量に買って、株主提案しようとした場合、会社法の規定で株主総会開催日の8週間前までに会社に提案書を届ける必要がある。

 日本企業の多くは3月期決算で、株主総会は6月末に集中している。その株主総会で株主提案する場合、ちょうどGWに当たるのだ。GWの期間中、会社は休みになるから、大株主として会社に問い合わせることも難しくなる。

 GW前に株主提案しようと思うと、3月期決算企業の場合、決算発表もしていない会社が数多くある。投資家からすると、決算を見て株主総会に提案するという当たり前の権利がGWによって事実上封じられている、というのである。

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