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ラジオ生き残りへ新しい波 FM一本化・ネット配信着々 新規リスナー発掘 (2/3ページ)

 AMは6送信施設で3つの周波数を使っていたが、FMは独自開発した技術で瀬戸内海側、日本海側の周波数をそれぞれ統一。高速道路で長距離移動しても、カーラジオに触れずに聴取し続けられるようにした。

 「既にAMよりFMの方が多くの人に聞いてもらえる。民放連の要望通り、23年には一部地域でAMを停波したい。FMのきれいな音をラジオ再生の切り札にしたい」と山崎専務。リスナーの不利益にならないよう、FM受信機を配ることも検討しているという。

 事情は他局も同様だ。ネットに押され、全国47AM局の営業収入は17年度約797億円と、ピークだった1991年度の4割弱まで減った。約50年とされる送信所の耐用年数が過ぎても「更新は無理」と言う局が多い。

 一部ではAM停波

 本年度中には全AM局がFMによる放送を実施する予定だが、両方の放送を続ける負担は重い。このため民放連は3月、(1)AMを廃止しFMに一本化するか、併用するか、各局が2028年までに選択できるようにする(2)一部地域では23年をめどにAMを停波可能にする-制度改正を要望。総務省が有識者会議で対応を協議している。

 ただ、音質が良く、ビル内で受信しやすいFMも、遠くまで届かないという短所がある。広大な北海道などでは、AMの放送エリアを全てFMでカバーするのは難しく、AMも残る見通しだ。

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