エンジン細部には手が入っている。インテークの細工や、ムービングパーツの軽量化が進んだ。その狙いはズバリ、鋭いレスポンスを求めたからだ。最大出力は474ps。驚くところはその数字ではなく、レスポンスである。つまりRCFは、現代では数少ないNAエンジンの生命線であるレスポンスに磨きをかけたのである。
素性の良い大排気量NAエンジンは、アクセルペダルの1ミリが1馬力として反応する。エンジン回転が上がって初めて得られる排気圧を利用してトルクを高めるターボチャージャーには、その機構上、レスポンス遅れは避けられない。レクサスは、走りの自由度を削ぐ応答遅れを嫌った。RCFは、ターボエンジンでは得られない鋭いレスポンスをベースにした走りに磨きをかけたのである。
実はそれは、エンジンだけでなくシャシーにも及んだことでも証明される。今回新たに加わった「パフォーマンスパッケージ」が特にその象徴だ。いわばサーキット専用モデルとも思えるそれは、カーボンセラミックブレーキやチタンマフラー、カーボンボンネット…等の軽量マテリアルを贅沢に採用することで、徹底したダイエットに成功している。標準モデルに比較して80kgも軽くなっているというから、助手席に体格のいい男を乗せた時のズッシリ感や、ガソリンタンクを満タンにした直後の鈍重な感覚分を削いでいるのだ。重量増を招くことを理由に、リアウイングは電動式ではなく固定式になった。あるいはサスペンションの取り付け部や、アーム類をアルミにするなど軽量化に妥協の形跡はない。