変わるトヨタ

(4)競争激化 事業再編を加速 販売店にメス、社員に葛藤も (1/2ページ)

 雄大な富士山に臨むトヨタ自動車東日本の東富士工場(静岡県裾野市)。50年以上にわたりトヨタ車をつくり続けてきた歴史が幕を閉じる。効率化のため生産の大半を宮城大衡工場(宮城県大衡村)と岩手工場(岩手県金ケ崎町)に移管する方針が決まり、2020年12月までに閉鎖する。

「自前主義」から転換

 「会社の言うことだから仕方ない」

 東富士工場に勤める50代男性従業員は表情を変えずにつぶやく。約1100人の従業員は順次東北へ異動させる方針で、これまで100人超が移った。

 一部従業員は前身企業の神奈川県横須賀市の工場閉鎖に伴って東富士工場へ異動しており、2度目の配転となる人もいるという。「家族の都合で移れなくて辞めた人もいる」と男性は話した。

 自動運転などをめぐる競争が激化する中、トヨタ自動車は系列企業を巻き込み事業再編を加速している。電子部品を担う広瀬工場(愛知県豊田市)はデンソーに、アフリカ市場の営業業務は豊田通商にそれぞれ移管。グループ会社の方が強みを発揮できる事業は本体から切り離し、「自前主義」にこだわらない方針だ。

 「ついに来たか」。富山県でトヨタ車を販売する品川グループ本社(富山市)の品川祐一郎社長(48)は身構えた。18年11月、トヨタの豊田章男社長らが全国の販売店代表者を集めた会議で、25年までに国内全店舗で全車種を扱うと明らかにしたからだ。「トヨタ店」「カローラ店」など4つの系列で異なる車種を売ってきた「垣根」を取り払うことを意味する。

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