試乗スケッチ

車格を上げた新型「Z4」は迷走してきたBMWロードスターの“結論”だ (3/3ページ)

木下隆之
木下隆之

 最新モデルのZ4は、冒頭に紹介したように、車格を増して誕生した。それはBMWのロードスターの結論のような気がする。いまBMWが声高に叫ぶオープンエアモータリングの基本形なのだ。

 走りは驚くほどスポーティーだったことを報告しておこう。搭載する直列6気筒3リッターツインターボエンジンは、トップエンドまで刺激的に吹け上がる。コーナリング特性は切れ味の鋭いタイプだ。俊敏にワインディングを駆け回る。それでいて、穏やかにドライブしている時には従順でしつけもいい。攻撃性と優しさが頃合いよく同居しているのだ。

 太陽の光を浴び、爽やかな風を襟首に感じながらのオープンエアモータリングが心地いい季節になった。それをめがけてBMWはZ4を投入してきた。しばらく目が離せない。

 【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちらから。

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木下隆之(きのした・たかゆき)
木下隆之(きのした・たかゆき) レーシングドライバー/自動車評論家
ブランドアドバイザー/ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

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