フジテレビ商品研究所 これは優れモノ

ヤマハ発動機「トリシティ155」 機動性・環境性能追求 若年層にも好評 (2/2ページ)

本場欧州でも人気モデル

 早田さんによると、ヤマハ発では、当時既にフロント二輪の三輪モデルを試作、実験を繰り返していたという。ただ、通常の原付き二輪車の需要が好調なことから、この企画はいったん休止となった。

 2000年以降、先進各国や成長著しい新興国の都市部は慢性的な交通渋滞に悩まされ、社会的な問題となっている。そうした中で、オートバイは、機動性の高い手段として、各国で多用されており、その環境性能の良さからさらなる需要が期待されていた。そこで、オートバイに乗った経験のない人でも扱いやすく、安定感のあるフロント二輪モデルとして14年に発売されたのが、「トリシティ(TRICITY)」だ。

 「オートバイの本場欧州でも人気のモデルで、日本の若者からも高反響を得ています」と早田さんはうれしそうに語った。

 ≪interview 担当者に聞く≫

 □ヤマハ発動機 販売営業統括部・早田和正氏

 ■20代にインパクト 学生の指名買いも

 --フロント二輪のオートバイは世界初か

 海外にも、同タイプのオートバイはある。ただ当社の「トリシティ」はリーニング・マルチ・ホイール(LMW)という独自のシステムを搭載している。カーブするときにフロント二輪が車体と同調して傾斜(リーン)することで、タイヤと地面との接地幅があまり変わらず、安定性とオートバイ本来の自然な乗り味が楽しめる。通常のオートバイでは石畳や砂利道、ぬれたマンホールの上でグリップを失い滑ることもあるが、トリシティは、フロント二輪の左右どちらかがグリップを失っても、もう片方がグリップしていれば路面の影響も受けにくく、転倒のリスクも減らせる。

 --このほかの利点は

 フロントが二輪あるので、ブレーキをかけたときの安定感が高い。また、これまでのオートバイではカーブの途中で制動力の強い前輪ブレーキをかけるのは避けるべきなのだが、トリシティではフロント二輪によるグリップ力に加え、独立した3つのブレーキをそれぞれ最適に制御して車輪のロックを抑制するABSも標準搭載しているので、カーブ途中のブレーキ操作でも車体のコントロールがしやすい。さらに、段差などの衝撃を吸収しやすいほか、急な横風にもふらつきにくいという特徴がある。また、これらの安定性能によって、乗り手の疲労感が軽減するという結果も得ている。

 --主な顧客層は

 40代を主なターゲットに考えている。販売を開始して5年ほどになるが、首都圏を中心に販売が拡大している。最初のモデルは125ccだったが、2016年から155ccモデルを投入した。この排気量だと高速に乗れるので、ロングツーリングも楽しめる。

 --若者への訴求は

 トリシティは、これまでバイクに乗ったことのない20代の若者に新鮮な乗り物として受けている。学生の指名買いも多い。過去にはモニターを募集して車両の貸し出しを行うなどプロモーションを展開した。今後も新たなモビリティーとして、男性だけではなく、若い女性への浸透を図っていきたい。

 ■フジテレビ商品研究所

 「企業」「マスコミ」「消費者」をつなぐ専門家集団として1985年に誕生した「エフシージー総合研究所」内に設けられた研究機関。「生活科学研究室」「美容・健康・料理」「IPM(総合的有害生物管理)」の各研究室で暮らしに密着したテーマについて研究している。

 http://www.fcg-r.co.jp/lab/

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus