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ベンツAクラスに高感度な富裕層&女性が飛びつく新基準ディーゼル登場 (2/3ページ)

木下隆之
木下隆之

 Aクラスから上級グレードへの乗り換えも期待できる。複数所有へのセールスにも手抜かりはないだろう。エントリーユーザーをAクラスが呼び込んだことは、今後の伸びしろにも影響することを考えれば、ますます笑いが止まらないのである。

 ふたつめの特徴は、女性ユーザー比率が高いことである。約25%が、女性だというのだ。しかもその数字は契約名義ベースである。亭主名義で購入していても、「普段は家内の買い物や子供の送り迎えがメインなんです」というユーザーも少なくないだろうから、実際はその数字は跳ね上がる。つまり、新型Aクラスの好調は、新規ユーザー獲得と女性ウケが要因なのである。

 コンパクトハッチにも需要

 さらに注目したいのは、SUVではなくコンベンショナルなコンパクトハッチであることだ。車高が高いSUV系の勢いは留まるところを知らない。出せば売れるという入れ食い状態だ。だがAクラスはそのジャンルではない。これはまだまだコンパクトハッチにも需要があることを証明している。

 そんな中、新たにディーゼルエンジンを搭載した「A200d」を投入するというのだからメルセデスの販売攻勢は増すばかりだ。

 搭載するエンジンは、Cクラスに積まれて評判のいい「0M654」型を横置きにリメイクした「OM654d」である。2020年から施行されるという、ますます厳しい環境規制「EUROd NORD」を満たしている。現状ではアルピナとDSあたりしか適合していない基準である。「環境にも優しい」というキーワードは、高感度な富裕層には響く文言である。新規の女性ユーザーがますます飛びつきそうな気がする。

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