また、生ビールを0~マイナス2度という氷点下の温度帯で提供する飲食店専用の「スーパードライ エクストラコールド」は、よりきめ細かな泡を作る機器に変更し、導入店約8千店のうち6月末までに約5千店で切り替える計画だ。
昭和62年に誕生したスーパードライは、下落し続けていたアサヒの市場シェアを急上昇させた救世主だった。キリンの「ラガービール」のような苦みのあるビールではない、辛口という日本初の提案と強固な営業力で、飲食店から家庭の食卓までを“銀色”に塗り替えた。平成13年、アサヒはビール類市場でキリンを追い抜き首位となった。
対するキリンは低価格の第3のビール「のどごし〈生〉」の成長で21年に首位を一度は奪還。だが、アサヒも第3のビール「クリアアサヒ」などで対抗し22年以降は首位に立ち続ける。
しかし大黒柱のスーパードライは25年以降、販売実績の前年割れが続く。発売30周年を迎えた29年には販促強化を打ち出したが、目標に据えた前年実績の1億ケース(大瓶20本換算)並みには届かず。30年は保守的にマイナス目標を立てたもののやはり未達に終わった。ビールシェアでは昨年48・6%と首位を確保したが、アサヒの塩沢氏が主力商品の落ち込みに危機感を募らせる理由はここにある。