論風

世界でキャッシュレス化が加速 薄れる銀行の存在感 (3/3ページ)

 また、米国で典型的に見られる多額の奨学金返済義務から来る新卒業生の負債状態も、資産の保全、運用のために金融機関を利用する動機の喪失につながり、これも金融機関あるいは口座との縁を薄くしている。ビル・ゲイツ氏が往時に「金融は常に必要。しかし、銀行の存在は不可欠ではない」と喝破した状態が既に来ているのである。

【プロフィル】渡辺博史

 わたなべ・ひろし 東大法卒、1972年大蔵省(現財務省)入省。75年米ブラウン大学経済学修士。理財局、主税局、国際局を歴任し2007年財務官で退任。一橋大学大学院教授などを経て13年12月から16年6月まで国際協力銀行総裁。同年10月から現職。69歳。東京都出身。

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