試乗スケッチ

伝統の直6エンジン非搭載 廉価モデル「SZ」こそ本当のスープラだ (2/3ページ)

木下隆之

 スープラの最大の武器は、BMW譲りのディメンションにある。たとえばライトウエイトFRスポーツの雄である「86」が4シーターが基本なのに対してスープラは、2シーターと割り切っている。前席しか人は乗れないのだ。それによって、前輪と後輪の車軸間の距離を切り詰めることに成功した。それでいて、左右の幅は、大きく足を広げて大地に踏ん張るかのような安定感がある。前後に短く左右に広い。すなわち、コーナーでのシャープなハンドリングが期待できるのだ。

 さらには、重心が低い。実際に着座してみると、ヒップポイントが大地に擦れんばかりの錯覚に陥る。標準的な体型である僕でさえ、シートを最下点にアジャストしてしまうと、ほとんど前が見えないというほど低い。

 そんなだから、スープラがもっとも光り輝くのは、ワインディングだと思う。次々と連続するタイトコーナーをダンスを踊るように身を翻して舞う。前後左右に姿勢を傾けながらコーナーに挑めば、スポーツドライビングの醍醐味が味わえるというわけだ。

 「SZ」は86の“弟分”

 そう、スープラは直列6気筒をイメージリーダーに据え、すべての仕様がターボで武装する。しかもデザイン的にマッチョだ。それによって86よりも車格感が高い兄貴的なイメージが強い。だが実際には86よりコンパクトでショートホイールベースである。SZなどは86よりも出力が抑えられている。こう言って良ければ86の弟分的な性格でもあるのだ。そう思って接してみると、あるいは廉価版と思っていたSZこそ本命なのではないかと浮きだってくるのだ。

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