その後も、銀行に現金護送サービスを提供するために、独自の現金護送車を開発するなど、サービス提供のために自ら機器やシステム作りまで行うという戦略で、その後の成長軌道を描いた。
ビジネス分野を中心に展開してきた同社だったが、81年に日本初の家庭用安全システム「マイアラーム」(現セコム・ホームセキュリティ)を発売する。この商品は、イメージキャラクターの長嶋茂雄氏によるCM、「セコム、してますか?」で全国に広まった。
企業などと共同開発推進
同社が提供するサービスには日本初の冠がつくものが多い。その中でも、一般の人が街中のビルや駅でよく見かけるのが、AED(自動体外式除細動器)だ。機器自体は、同社が開発したものではないが、機器のレンタルサービスを日本で初めて手掛け、消耗品を定期的に交換し常に使用できる状態を保つビジネスモデルを創り上げた。心肺停止状態の人に電気ショックを与え蘇生(そせい)させるというもので、同社サービスの導入件数は累計20万件を突破し、救命事例は約2400件に上る。
同社は、セキュリティー分野の専門研究所と、研究を基に製品化を目指す開発センター、さらには製品製造子会社を持っている。こうした垂直統合型のビジネスモデルで競争力を高めてきた。
「私たちは、これまでのやり方にこだわりません。技術革新のスピードが速まっているなか、多様な課題と技術を融合するオープンイノベーションを進めています」と沙魚川さんは2015年以降、積極的に取り組んでいる企業・大学との共同開発について説明する。