金融

地域金融、成果主義で歪み 行き詰まったビジネスモデル、どう描き直すか (3/3ページ)

 貸し倒れ引当金増加

 日本銀行によると地銀の約6割が今後10年で最終赤字に陥る見込みで、経営悪化は業界全体の課題だ。収益を確保しようと投資用不動産向け融資に注力した地域金融機関は少なくなく、第3、第4のスルガ銀が登場する可能性は十分ある。

 東京商工リサーチの調べでは取引先の倒産などに備えた貸し倒れ引当金は国内111銀行の19年3月期の合計で10年ぶりに増加。景気減速が経営に追い打ちをかける。特にスルガ銀は不正融資した債権の質が悪化して引当金の積み増しを求められる恐れが強く、将来的に自己資本比率が国内基準の4%を下回るのではと懸念される。

 自力では再建策が作れないこうした地銀の受け皿として、スルガ銀と業務提携した新生銀行が下位地銀を傘下に置く統合構想も一部でささやかれる。新生銀は10年に一時国有化された日本長期信用銀行が前身で、業績低迷から公的資金を返済できていない。金融庁が描く地銀再編の先兵にうってつけというわけだ。

 ただ、消費者金融を収益の柱にする新生銀に弱体化した地銀をぶら下げただけでは、地域金融の抜本的な再生は難しそうだ。政府は今年の成長戦略で独占禁止法を緩和し地銀の統合を後押しする構えだが、行き詰まったビジネスモデルをどう描き直すかという大きな課題は依然残されている。(田辺裕晶)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus