--INF条約失効後に米国はどのようなミサイルを開発するとみているか
「INF条約で制限されていたミサイルや、極超音速ミサイル、2017年に研究に着手した一連のミサイルの開発計画が進められるのではないか。米国はトマホークなど艦載ミサイルは保有しているので、これらの地上発射型を開発する可能性がある」
--貿易だけでなく軍事面でも米中間の緊張が高まる中で、中国が重要なミサイル原料の一つレアアース(希土類)の対米輸出を制限するとみられている。米国の新たなミサイル開発に影響が出るのでは
「レアアースは米国にとって重要な領域。輸入中国製品への追加関税からもレアアースを除外しているほどだ。供給の約50%、市場の約90%を中国がコントロールしていることに、米防衛当局も懸念を抱いている。このため豪州産レアアースを調達するなど対策を急いでいる」
--極超音速ミサイルの技術が進化し、迎撃や防衛が難しくなった。各国の戦略にどんな変化が起きるか
「極超音速ミサイル攻撃への対処で難しいのは、ミサイルが高速で移動する点だけではない。それを捕捉し対策を取るまでの時間をどれだけ短くできるかという課題がある。米国も既にその問題に取り組んでいると思う。具体的な対応策として有効なのは、別の防御型の極超音速兵器や(レーザーをはじめとする)エネルギー指向性兵器の開発だ」
日本企業に脚光
--日米は三菱重工業が参加して、飛来する弾道ミサイルを高空で迎撃する「SM(スタンダード・ミサイル)3」の最新版「ブロック2A」(推定射程2000キロメートル超)を共同開発し、迎撃試験にも成功した。このミサイルも極超音速技術の進展で陳腐化してしまう可能性があるか
「その可能性は否定できない。ただ、米国も最初の極超音速兵器の配備が23年になり、現在は弾道ミサイルの迎撃で運用可能な極超音速技術はない。その意味ではSM3ブロック2Aが米国で最高の迎撃システムといえる」