鉄道業界インサイド

「時差Biz」で通勤を楽におトクに 22日開始、各社の手法にも注目 (3/3ページ)

枝久保達也
枝久保達也

 自動改札機を活用したポイント付与は、どの時間帯に駅を利用したかは分かっても、どの列車に乗っていたか判別することはできない。そこで京急は普通列車の車内スピーカーから人間の耳では聞き取れない非可聴音を信号として流し、これをアプリで認識することで普通列車の乗客だけにポイントを付与する仕組みを構築したのである。

 未知数な部分も

 参加には京急のポイントサービスへの登録が必要。「KQスタんぽ」アプリをダウンロードし、必要事項を入力して登録を完了したら、対象時間帯の自動車内放送(通常放送および英語放送)に合わせアプリを操作すると、1日20ポイント、年間約4000円相当のポイントが付与される。非可聴音を使ったアプリはJR東日本でも採用例があり、認識に問題はないと思われるが、スマホ操作を中断してアプリを起動、操作する手間がどれだけ受け入れられるかは未知数だ。

 また東急電鉄は7月22日~31日の平日8日間、臨時列車として運行する田園都市線の「時差Bizライナー」、東横線の「時差Biz特急」(いずれも特別料金などは不要)車内で、東急線アプリ利用者にBluetooth通信を利用してクーポンを配信する。こちらは期間中、車内に発信機を設置するものと思われるが、アプリをバックグラウンドであっても起動して置けばプッシュ送信されるので利用者の手間は少なく、確実性も高い。

 どういった手法が利用者の支持を集めるか、まだ試行は始まったばかりだが、乗客を特定の列車や号車に細かく誘導することができるようになれば、オフピークキャンペーンの可能性はさらに広がることだろう。(※今回は第3木曜日に掲載させていただきました)

枝久保達也(えだくぼ・たつや)
枝久保達也(えだくぼ・たつや) 鉄道ライター
都市交通史研究家
1982年11月、上越新幹線より数日早く鉄道のまち大宮市に生まれるが、幼少期は鉄道には全く興味を示さなかった。2006年に東京メトロに入社し、広報・マーケティング・コミュニケーション業務を担当。2017年に独立して、現在は鉄道ライター・都市交通史研究家として活動している。専門は地下鉄を中心とした東京の都市交通の成り立ち。

【鉄道業界インサイド】は鉄道ライターの枝久保達也さんが鉄道業界の歩みや最新ニュース、問題点や将来の展望をビジネス視点から解説するコラムです。更新は原則第4木曜日。アーカイブはこちら

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