普及を確かなものにするため導入検討中の企業や自治体、団体とのネットワークも立ち上げる。社食への導入ノウハウを共有するなどして賛同企業・団体を増やす狙いだ。喜納氏は「われわれの目的は消費行動の変革。理解者を募って連携を拡大し、ムーブメントを強めたい」と意気込む。
アイス目当てに
「限定200食が30分で完売した」とうれしい悲鳴を上げるのは損保ジャパン日本興亜CSR室の伊藤穂乃香主任。
社食メニューにサステナブル・シーフードを採用したのは昨年10月からだが、意義を訴えても社員の認知度はなかなか高まらず、購買行動につながらなかった。打開策として6回目となる今年5月には、気候変動問題に取り組むユニリーバ・ジャパンとコラボ。サステナブル・シーフードのメニュー購入者に同社のアイスクリームを配布して理解を高める作戦に出た。
それが当たった。「動機がアイス欲しさでも認知度が高まればいい。自主的に購入するきっかけになれば狙い通り」(伊藤氏)という。
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■身近なところからSDGs貢献
ユニリーバとのコラボは、損保ジャパン日本興亜環境財団が運営する環境インターン「CSOラーニング」でも実施する予定。参加する学生に対する環境教育・人材育成の一環としてサステナブル・シーフードへの理解を深める場をつくり、社会への情報発信役を担ってもらう考えだ。
企業がサステナブル・シーフードの普及に向け積極的に動きだしたのは、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)への貢献が求められるようになったからだ。損保ジャパン日本興亜で、ASC認証を受けたエビを使った冷製パスタを選んだ女性は「こうした身近な取り組みで世界の持続可能性に貢献できるならSDGsも身近に感じる」と笑った。
パナソニックと約20年にわたり「海の豊かさを守る活動」に取り組んできたWWFジャパンの三沢行弘シーフード・マーケット・マネージャーは「社食などでの継続的消費は、継続的な生産者支援につながる」と指摘した上で「水産物のサプライチェーンづくりは持続可能な社会の実現に貢献できる」と話している。(松岡健夫)