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プラ業界、海洋ごみゼロへ加速 新組織設立など連携 日本の技術力発信も (1/2ページ)

 世界的な課題となっている海洋プラスチックごみ問題に対応しようと、プラスチック製品を手掛ける国内企業が連携して、問題解決を目指す国際団体への加盟や、国内での新組織設立が相次いでいる。欧州で規制が先行する中、日本の企業・団体には環境技術やノウハウを“ジャパンモデル”として世界へ発信する狙いもある。

 規制強化に危機感

 東洋紡は、プラスチックフィルムなど軟包装分野の循環型経済を推進する欧州のコンソーシアム「CEFLEX(シーフレックス)」への参加を発表した。楢原誠慈社長は大阪市内での記者会見で、「プラスチックフィルムを作る企業として、世界的な課題解決に貢献できる」と意気込んだ。

 2017年に設立されたシーフレックスは、25年までに欧州全域で、使用済み軟包装を回収・分別してリサイクルするインフラの構築を目指す。

 欧州連合(EU)欧州議会は3月、使い捨てプラスチック製品を禁止する法案を可決。21年までに施行される。同法では、EU加盟国が29年までにプラスチック製ビン類の回収率を90%以上に引き上げることなどが盛り込まれており、世界に先駆けて規制強化が急速に進む見通しだ。

 シーフレックスには世界の大手素材メーカーなど130以上の企業・団体が参加。東洋紡は「情報を収集して対応しないと(欧州から)締め出しを食いかねない」と危機感をのぞかせる。今後構築される回収システムの詳細や、世界の規制動向を把握する狙いもあるという。

 日系企業では凸版印刷、三井物産、東レやクラレの欧州子会社など10社以上が名を連ねる。

 国内でも海洋ごみ問題の解決に向けた動きは急だ。

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