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アイス市場は拡大傾向でも…サーティワンが赤字と店舗減に苦しむ背景 (4/4ページ)

 サーティワン苦境の影にコンビニあり

 一方、サーティワンは、日本の店舗は現在99%以上がフランチャイズ(FC)店だ。かつては駅前や郊外のロードサイドが中心だったが、近年はショッピングセンターへ積極的に出店している。現在は後者が主戦場で、女子高生や家族連れをメインターゲットとしている。

 サーティワンは豊富な種類のアイスクリームを武器に顧客からの支持を獲得し、成長を果たしてきた。この20年に関していえば、11年12月期までは売上高を順調に伸ばすことができていた。

 しかし、それから13年12月期までは200億円程度で横ばいが続き、伸び悩み始める。14年12月期と15年12月期は、180億円台にまで落ち込んでしまった。それ以降はやや持ち直したものの、近年は200億円前後で停滞している。低迷状態から脱することができていないのだ。

 サーティワンが伸び悩むようになった2010年以降は、全国のコンビニの店舗数が大きく伸びた時期だ。最大手のセブン-イレブン・ジャパンは出店攻勢をかけ、年に1000店以上増やしている。アイスクリーム市場の規模も同時並行的に大きく伸びていった。このこととサーティワンの伸び悩みは、無縁ではないだろう。急成長したコンビニがサーティワンから顧客を奪ったのではないかと考えられる。

 コンビニにない味と体験の提供が肝になる

 コンビニアイスに対抗し、業績を上向かせるには、商品と店舗の魅力を高めることが欠かせない。もちろんサーティワンは手をこまぬいていたわけではない。

 2019年1月からは、映画『怪盗グルー』シリーズで人気のキャラクター「ミニオン」をモチーフとした6つの果物の味わいを楽しめる「“ミニオン”メッチャフルーツ」など新しい味のアイスを毎月のように投入した。

 さらに大人の女性やカップルなど、従来の家族連れとは異なる層をターゲットにした新しいデザインの店舗を増やしたり、キャンペーンやお勧め商品を動画で発信するデジタルサイネージの店頭への導入を進めたりと対策を講じている。

 だが、業績を見る限り、これらの施策では不十分ということだろう。サーティワンはコンビニにはない味や体験を提供し、魅力をさらに高めていくことが求められている。その実現に向けて、いま正念場を迎えているといえる。

 佐藤 昌司(さとう・まさし)

 店舗経営コンサルタント

 立教大学社会学部卒業。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。店舗型ビジネスの専門家として、集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供している。

 (店舗経営コンサルタント 佐藤 昌司)(PRESIDENT Online)

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