高論卓説

日本の輸出管理強化へ反発の韓国 米国は冷淡、思惑外れ関係悪化 (2/2ページ)

 もともと、文在寅政権は、親北朝鮮であり反米色の強い政権であり、米国に対して戦時作戦統制権返還を迫るなど、在韓米軍の価値を軽んじてきたが、同盟関係を否定する発言まで始めた。これに対して、米国は表立っては反応していないが、これにより、以前から予想されている在韓米軍の縮小や撤退が進む可能性が指摘されている。

 来年度の基地負担交渉で、米国は在韓米軍負担額をこれまでの5倍にあたる50億ドル(5300億円)を要求しているとされており、韓国軍の南シナ海防衛への参加を求めているともいわれている。また、トランプ大統領は米韓合同軍事訓練を金の無駄と発言しており、在韓米軍の存在に疑問符を投げかけてきた。

 意味合いこそは違うが、韓国、米国ともに在韓米軍に否定的なため、今後、米韓の駐留費交渉が決裂した場合、在韓米軍の縮小や撤退が一気に進む可能性がある。日本政府は在韓米軍撤退後の日本に対する韓国の敵対を視野に入れた防衛力増強を早期に進めるべきだろう。

【プロフィル】渡辺哲也

 わたなべ・てつや 経済評論家。日大法卒。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。著書は『突き破る日本経済』など多数。愛知県出身。

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