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売上5億円で赤字367億円のPayPay プロが赤字額に全く驚かないワケ (1/5ページ)

 「スマホ決済3社」赤字決算の読み方

 スマホ決済の主導権を巡り、各社が激しい競争を繰り広げている。

 先行したPayPayは2018年12月に「100億円あげちゃうキャンペーン」の第1弾を実施。利用額の20%を還元するという大盤振る舞いに利用者が殺到した。当初4カ月の予定だったが、わずか10日間で上限に達しキャンペーンは終了した。以降、LINE Payやメルペイが追随し、乱戦が続いている。

 これほど多額な還元をして経営は大丈夫か--。多くの人がそう感じているのではないか。日本総合研究所の主席研究員で公認会計士の資格も持つ小谷和成氏に、決算書を読み解いてもらった。

 100億円超のキャンペーンが、なぜ可能なのか

 PayPayの19年3月期の決算は売上収益5.9億円に対して販売費及び一般管理費が371億円かかっており、還元キャンペーンの費用はこの中に含まれている。結果、当期利益は367億円のマイナスだ。

 LINE Payはどうか。18年12月期の数字で見ると営業収益(売上高)44億円に対し、営業費用が97億円で営業利益は▲53億円、当期純利益も▲54億円となっている。過去の当期純利益を確認すると、16年12月期▲21億円、17年12月期▲27億円で年を追うごとに赤字幅が拡大していることがわかる。

 メルペイは17年11月20日に設立されたばかり。第1期の18年6月期決算は7カ月ほどの変則決算となり売上高はゼロ、販売費及び一般管理費が8.8億円で当期純利益は▲8.9億円となっている。LINE Payとメルペイの決算には還元キャンペーンの費用が含まれていないので、次の決算ではマイナス幅がさらに拡大する可能性が高い。

 これだけの損失を出しながら、なぜ破たんしないのか、疑問に思う読者も多いだろう。しかし、創業当初に大きな赤字が出るのはインフラ系のIT企業の宿命であり、驚くことではない。

 決済サービスのようなITビジネスで安定収益を確保するためには、いかに多くの会員を集めるかが勝負になる。そのためには、サービス開始時点で莫大なマーケティング費用やキャンペーン費用が必要になる。

 一方で、高額な設備投資が必要ないというメリットもある。製造業であれば、工場建設や設備の購入に莫大な資金がかかる。それを考えれば、100億円キャンペーンは驚くほど多額な初期投資というわけではない。

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