幕藩体制の日本の為政者の経済思想はコルベールに代表される絶対王制の西欧とは対極にある。
冒頭の吉田教授の著書によれば、江戸時代の農政家、二宮尊徳は「暗君は取ることを先にし、国衰え、民は窮乏し、やがて国家は滅亡する」「聖人の政は取ることを先にせず、これにより国は栄える」と為政者を諭したという。次世代を育み、高齢者を養わなければならない現役世代から税を巻き上げて困窮させる悪代官的システムが消費税である。
かくなるうえは、経世済民という日本の伝統思想、つまり保守主義の原点に立ち返るしかない。安倍首相に限らず、少なくとも保守陣営の政治家にそれが欲しい。