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中国・2つの巨大な消費市場 「車市」と「房市」に見え始めた影 (3/3ページ)

 これは単なる個別事案かもしれない。だが、消費全体が冷え込んで大量の不動産在庫が蓄積している中で、不動産価格全体の下落は、もはや時間の問題だ。下落が加速化すれば、不動産バブルの崩壊にもつながる。

 その一方で今年8月、40の大手開発企業が受けた新規融資は7月より6割も激減したと報じられている。中国の不動産開発業を支える、それらの大企業は、新規不動産を造っていく意欲が大幅に減退しているのだ。その意味するところはすなわち、今後における不動産市場と不動産開発業の大衰退である。

 中国経済成長の柱である「車市」と「房市」の両方が一斉に衰退していけば、中国経済の「末日」はそう遠くないだろう。

【プロフィル】石平

 せき・へい 1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。

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