高論卓説

「あおり運転予備軍」社員の見分け方 ふとした拍子の言動は隠れた本性 (1/2ページ)

 悪質なあおり運転が社会問題となり、世間の耳目を集めている。社員が仕事中にあおり運転でもしようものなら、会社は使用者責任を問われかねないし、イメージダウンにもつながる。

 あおり運転しそうな社員に運転させないことが一番の対策だが、その見分け方は簡単ではない。特に、普段はおとなしいのにハンドルを握ると豹変(ひょうへん)するタイプの社員は、通常の勤務態度を見ていても分からないことが多いだろう。

 私のところにカウンセリングにくるAさん(会社員・30代男性)は、温厚そうな人柄に見えるが、話しているとたまにヒートアップすることがある。と同時に、普段ストレスを感じている相手を徹底的にこき下ろすのだが、そのときの表情や声色、言葉遣いは、まったくの別人のようになる。

 先日、Aさんは大切な接待ゴルフで初めて運転を任されたのだが、前日の残業で疲れていた上に、出発が予定より遅れていて気持ちがとても焦っていた。そのせいもあり、前をゆっくり走っていた初心者マークの軽自動車にイライラし、ついにあおり運転をしてしまったのである。激しくクラクションを鳴らし続け、車間距離を縮めてあおる乱暴な運転ぶりに上司は驚き、何度も注意をしたけれど、ついに収まらなかったそうである。

 車の運転で別人のように豹変するのは、元来の攻撃性の高さが関連している。一見温厚なタイプでも、疲労の蓄積や感情がかき乱される出来事がトリガー(引き金)となって攻撃的な言動に走るのは、もともと攻撃欲求の高かった人であることが多い。普段の温厚な性格は作られたキャラクターだったのか、あるいは攻撃性が抑圧されていたのかはさておき、乱暴な車の運転は根っこにある攻撃欲求を発散している状態だといえる。

 また運転中は、自分と車を同一視し、理想の自分の姿を車に重ね合わせることがあるといわれている。自分の乗っている車が高級車だったりスポーツカーだったりすると、気持ちが大きくなって、攻撃性に拍車がかかることもある。もともと車の好みには自分の理想像が投影されているようで、四輪駆動車であればワイルドな強さ、高級車であればお金持ちに見られたい願望があるようだ。その傾向は男性に多いといわれている。

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