森山氏は昭和52(1977)~62(1987)年、高浜町助役を務めた。当時から関電と深い付き合いがあり、退職後も町の顔役として影響力を持っていたとされる。
複数の関係者によると、金沢国税局は昨年1月、高浜原発や大飯原発(福井県おおい町)の関連工事を請け負う高浜町の建設会社への税務調査に着手。この会社から工事受注に絡む手数料として森山氏へ約3億円の資金が流れていることが確認された。
さらに森山氏の税務調査を進めると、森山氏が関電役員ら6人の個人口座に送金したり、現金を入れた菓子袋を関電側に届けたりしていたことが判明。総額は7年間で約1億8千万円に上り、スーツの仕立券などもあった。森山氏は「関電にはお世話になっているから」と説明したという。
工事経歴書によると、高浜町の建設会社は平成27(2015)~30(2018)年、原発関連工事を少なくとも25億円受注していた。
森山氏は、受け取った約3億円を所得として申告していなかったため、金沢国税局は申告漏れを指摘し、追徴課税した。
高浜原発は3、4号機が平成29年6~7月に営業運転を再開。1、2号機も再稼働に向け、安全対策工事が進められている。