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関電子会社が、元助役系企業と10年以上「独占的」な工事契約 (1/2ページ)

 関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)から多額の金品を受け取っていた問題で、関電の全額出資子会社「関電不動産開発」(大阪市)が10年以上にわたり、森山氏が関係する建設会社に一部工事を特命随意契約で独占的に発注していたことが2日、分かった。昨年の金沢国税局の税務調査で森山氏が関電役員らに多額の金品を渡していたことが確認されて以降、競争相手のいる一般競争入札での発注に切り替えていた。

 税務調査では、建設会社から森山氏に工事受注に絡む手数料として約3億円の資金が流れていたことも判明。社内のコンプライアンス上の問題はなかったとみられるが、関電グループと森山氏との密接ぶりが改めて鮮明になった形だ。

 関電関係者によると、森山氏は原発関連工事を手がける高浜町の建設会社「吉田開発」の顧問を名乗り、同社から資金提供を受けていた。一方、関電不動産開発は同町にある関電の社員寮などを管理。施設の改修工事が必要となるたびに、吉田開発との間で特命随意契約を結んでおり、期間は十数年間に及ぶ可能性がある。

 工事経歴書によると、吉田開発は平成26~28年に関電不動産開発から計9件(総額約2億2500万円)の工事を受注した。

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