金融

景気浮揚に材料乏しく、牽引役の非製造業も失速 日銀9月短観 (2/2ページ)

 増税後の個人消費の落ち込みを回避するため、政府は軽減税率制度や幼児教育の無償化、キャッシュレス決済によるポイント還元など手厚い対策を実施する。

 ただ、キャッシュレス決済のポイント還元は「1世帯当たりの恩恵は2千円程度で必ずしも大きくない」(第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミスト)など、世帯によって受益は限定的。実際に消費喚起に結びつくのか疑問視する声もあり、「老後2千万円不足問題」をはじめとした将来不安による過剰貯蓄でむしろ消費減速が進む可能性も指摘される。

 10月上旬開催予定の米中貿易協議の結果次第では、円高・株安に大きく振れる懸念も高まる。海外経済悪化に加え、日本が抱える経済減速リスクが高まれば、いよいよ政府の追加経済対策と日銀の追加的な金融緩和策による政策協調の判断が迫られる。(西村利也)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus