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フレックスタイム制、再び脚光も利用者がどれだけいるか 「昇進に響く」 (1/2ページ)

 SOMPOひまわり生命保険は、10月から始業・終業時間を社員の裁量に任せる「フレックスタイム」を導入した。1990年代に脚光を浴びたが、廃止する企業も相次ぎ存在感が薄れていた。働き方改革の機運の高まりや、2020年東京五輪・パラリンピック期間中の混雑緩和のための時差出勤を呼びかける取り組み「時差Biz(ビズ)」をきっかけに見直されつつある。

 生保業界、対象拡大

 ひまわり生命は、始業を午前9時、終業を午後5時としていた現行の制度について、それぞれ午前7~11時、午後3~10時に変更する。総労働時間が定められており、閑散期に早上がりしたり、繁忙期に時間を振り向けたりすることができる。生産性の向上や無駄な残業をなくし、総労働時間を削減するのが狙いだ。管理職や新人を除く内勤の若手・中堅職員約400人が対象となる。

 生保業界では、ひまわり生命のほか、第一生命保険や明治安田生命保険、住友生命保険も既にフレックスタイムを導入している。日本生命保険はこれまで総合職に限られていた対象を、4月から一般職に広げている。

 制度導入や拡大の背景には、4月に施行された働き方改革関連法で残業時間の上限規制が設けられたことがある。過重労働への批判が高まる中、社員に効率的な働き方をしてもらうことがより重要になった。

 東京五輪・パラリンピックも、制度導入の追い風になっている。大会期間中の混雑緩和のため時差出勤を呼びかける「時差ビズ」では、フレックスタイムのほか、オフィスに行かず、離れた場所で働く「テレワーク」も推奨されている。

 フレックスタイムは80年代後半から90年代にかけ拡大した。厚生労働省の就労条件総合調査によると、従業員1000人以上の大企業では、96年にピークとなる38.8%の企業が取り入れた。一部企業では根付いたものの、2012年に30%を割る25.9%となり、15年には1990年以降で最低の21.7%まで落ち込んだ。

 フレックスタイムを廃止する企業が多かった理由は、社員の勤務時間がまちまちになり、組織としてまとまりにくくなるという点だ。担当者の不在で顧客対応にも支障が出かねず、労務管理が煩雑になることも課題だった。

 ここ数年、フレックスタイムが見直されてきたのは、働き方改革や五輪効果に加え、スマートフォンの普及などで会社にいなくてもコミュニケーションが取りやすくなったことが大きい。企業の国際化で多様な働き方を認める文化が醸成されてきたこともある。

 フレックスタイムの導入企業数は、2015年を底に3年連続で増加し、18年には24.4%まで回復した。今や民間企業だけでなく公務員にも広がっている。今年4月には、働く時間をやり繰りできる「清算期間」の上限が現行の1カ月から3カ月まで延長されたことで、使い勝手も良くなった。

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