話題・その他

フレックスタイム制、再び脚光も利用者がどれだけいるか 「昇進に響く」 (2/2ページ)

 問題は、実際に制度を利用する人がどれだけいるかだ。「制度はあっても、使えば昇進に響きかねない。暗黙のうちにどれだけ時間を会社にささげられるかで人材を評価する企業は未だある」。ニッセイ基礎研究所の天野馨南子准主任研究員はこう述べる。

 女性活躍推進が要因

 天野氏によると、導入企業が再び増え始めたのは女性活躍推進法が16年4月に全面施行されたことが最大の要因だという。同法では、採用者や管理職に占める女性比率の目標の設定や公表を義務づけており、「結婚などを機に女性が退職しないよう、しぶしぶ、あるいはパフォーマンス的に制度を作った企業が多い」と説明する。

 実際、導入企業の社員からは、「周囲の目が気になって使えない」「評価に響くから利用しない」といった声も出ているという。天野氏は「短時間で効率的に仕事をする人を積極的に評価する体系がなければ制度は機能しない」と指摘する。フレックスタイムが本当に日本の企業文化に根付くかどうか注目される。(林修太郎)

                  

【用語解説】フレックスタイム制度

 一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、会社員などの労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることのできる制度。仕事とプライベートの時間の調和を図りながら効率的に働ける。1987年の労働基準法改正により導入された。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus