【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領は16日、航空機紛争をめぐる欧州連合(EU)への報復関税に関して「発動しないで済むように努力している」と述べ、米・EU間の協議を見守る考えを示した。トランプ氏はEUとの貿易不均衡に不満を表明し、「改めるべきときだ」とEU側に歩み寄りを迫った。
トランプ氏は同日、ホワイトハウスでイタリアのマッタレラ大統領と会談。欧州航空機大手エアバスへの補助金に対抗し、18日に発動を予定するEUへの追加関税について、「即座に課して問題を解決するのは簡単だが、あまりに酷だ」と記者団に話した。
トランプ氏はEUとの貿易関係が「長い間、非常に不公正だった」と指摘。米国からEUへの農産品や自動車の輸出に貿易障壁があると批判し、貿易赤字の削減を要求した。
一方、現在も米政府とEUが交渉中として、EU側の出方を注視する構えを示した。米国とEUは昨年夏に貿易協議の開始で合意したが、農産品を交渉対象外とする立場をとるフランスの反発などにより協議が進んでいない。