台風19号

停電おおむね復旧、15号の教訓で人員5倍 「隠れ停電」続く可能性  (1/2ページ)

 50万戸超に及んだ台風19号の停電は「おおむね復旧」した。9月に発生した台風15号の停電長期化を教訓としたが、電力会社が公表する停電の復旧は高圧線の通電を指す。電柱と家庭を結ぶ引き込み線の異常はシステムで認識できず、実際には家庭に電気が届いていない「隠れ停電」が続いている可能性もある。(平尾孝)

 17日に経済産業省が開いた電力供給網の強化に向けた有識者会議で、19号の停電関連情報が報告された。15号では風による倒木で電線が損傷したり、多くの電柱が倒れたりしたが、19号では水害による停電が多く、電柱や電線の損傷が少なかったことなどから、復旧は早かった。

 また、15号では、東京電力の「復旧見通し」が二転三転したのに対し、東電は19号で被害状況を把握する人員を15号時の5倍に増やしたほか、カメラを搭載したドローンを40機用意し、早期の復旧につなげた。有識者会議でも改善点が評価された。

 その一方、会議で課題として取り上げられたのが隠れ停電だ。

 電線は、高電圧の電気を流す高圧線▽電柱の変圧器で家庭向けの低電圧に変換された電気を流す低圧線▽家庭への引き込み線-に分かれている。電力会社のシステムでは高圧線の通電状況は認識でき、停電戸数も高圧線障害を基準に算出する。しかし、低圧線、引き込み線の障害は認識できない。

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