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2万台以上売れた「焼きペヤングメーカー」が、できるまでの“面白い経験” (2/3ページ)

 「社会人になって関東の人と話す機会が増えると、ペヤング愛が強いことがわかりました。関西人はかなり『U.F.O.』好きですが、それと比べると関東人の『ペヤング ソース焼きそば』好きは異常なほどです」(山氏)

 熱狂的なファンやマニアがいて、サイズやフレーバーでユニークな試みを連発しているペヤングなら、話題性十分。18年初頭にたまたまピーナッツクラブを訪れたまるか食品の丸橋嘉一社長に、「焼きペヤングメーカー」の企画を提案したところ、OKの返事が得られたことから、「焼きペヤングメーカー」を開発・販売することにした。

 普通のホットプレートでは温度が低すぎておいしく焼けない

 「焼きペヤングメーカー」の見た目は小型ホットプレート。普通盛と超大盛の2つを焼くことができる。超超超大盛GIGAMAXには対応していない。

 一般的なホットプレートと異なるのは、電源スイッチしかないところと、温度調節機能が搭載されていないところ。プレートの取り付け・取り外しはできない。

 最初にホットプレートでつくってみたところ、フライパンで焼いたものと違って、おいしくなく大失敗したという。原因は、ホットプレートの温度が低すぎたこと。そこで、フライパンで焼いてつくり、その時の温度を測定。その温度まで上げられるヒーターを搭載することにした。先にサイズとヒーターの仕様を決め、おいしくなるつくり方を追求することにした。

 おいしくつくるポイントは、インスタント麺を戻すために入れる水の量。水を入れてスイッチを入れた後、沸騰したらインスタント麺を投入し、麺全体に水分が行き渡ったらほぐして炒め、終わったら電源を切ってソースを掛けて全体に絡める、というものである。

 水の量は、麺を戻すのに必要なお湯の量と同じでいいと思うかもしれないが、「同じだとベチャベチャになりすぎてしまう」(山氏)。麺をお湯で戻す場合、普通盛だと480ml、超大盛だと820ml必要だが、「焼きペヤングメーカー」で必要な水の量は、普通盛で220ml、超大盛で300mlとかなり少ない。普通盛、超大盛それぞれで最適な水量を特定するために、5ccずつ量を変えてはつくって試食を繰り返した。それぞれで50回近く試作して特定したという。

 開始5時間でクラウドファンディングの目標を達成

 課題はまだあった。焦げ付きやこびり付きでプレートが洗いにくくなることである。プレートに何らかのコーティングが必要になったが、試しにフライパンで一般的なフッ素コーティングを通常の倍の厚さにしてみたところ、焦げ付きやこびり付きが起こらなかった。

 「焼きペヤングメーカー」について山氏は、「もうけようと思っていない商品」と言い切る。開発・発売の意義は、「お客さまに喜んでもらえるものを世に送り出すことに全員でチャレンジすること」にあり、「ああでもない、こうでもないと言いながら商品をつくることができたのは面白い経験。たまには、こういう商品があってもいいと思っています」と話す。

 そうは言っても、ニッチすぎるゆえに市場でどう評価されるのか、ペヤングファンは受け入れてくれるのかどうかは気になるところ。そこで、同社は18年11月、クラウドファンディングにチャレンジすることにした。

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