≪interview 担当者に聞く≫
□凸版印刷 生活・産業事業本部 パッケージソリューション事業部・宝居要介氏
焼却ごみ少なく、塩素系ガスの発生もない
--カートカン開発の背景は
もともとはドイツで生まれた容器だが、国内での市場性を見込んで、日本に導入した。ドイツでは、容器の内側にはアルミ箔(はく)を貼っていた。アルミ箔は、水蒸気や酸素を遮断するバリアー性を有し、内容物を吸湿や腐敗から守ることができる。一方で、アルミは枯渇資源であることや、リサイクル適性が高くないという欠点があった。
--日本導入で改良した点などは
当社は1986年に透明バリアーフィルム、「GL FILM」の開発に成功した。バリアー性能が高く、食品などの内容物を腐敗や乾燥、吸湿などから保護できる。また、焼却しても塩素系ガスの発生もなく、焼却後のごみも少ないという優れた製品だ。この「GL FILM」をアルミの代わりにカートカンに用いた。ペットボトルや缶の販売が禁止されているイベント会場や公共施設でも、カートカンであれば販売が可能だ。また、カートカンの容器成型と中身の充填(じゅうてん)には特別な装置が必要なため、専用の工場を千葉と福岡に設けた。
--農林水産大臣賞も獲得した
紙を使うことから、原料となる木材を消費すると思われがちだが、実は森林を健全に育成することに寄与している。森は木が増えすぎると、光が当たらずかえって痩せてしまう。人の手で間伐が必要なのだが、間伐材の使い道がないと、なかなか進まない。カートカンは、間伐材を積極的に使うことで、日本の森林保護にも貢献している。
--今後の課題などは
近年の社会情勢を受けて、環境意識の高い生活者が増えており、贈答品や限定の商品などにも多く採用されている。われわれの培ってきたデザイン力や印刷技術でパッケージのプレミアム感を演出し、商品自体に付加価値を付与することで、より多くの生活者にカートカンを手に取ってもらうことが目標だ。
■フジテレビ商品研究所
「企業」「マスコミ」「消費者」をつなぐ専門家集団として1985年に誕生した「エフシージー総合研究所」内に設けられた研究機関。「生活科学」「美容・健康・料理」「IPM(総合的有害生物管理)」の各研究室で暮らしに密着したテーマについて研究している。
http://www.fcg-r.co.jp/lab/