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隆盛極める女子ゴルフに潜む「2021年問題」 (2/2ページ)

 人材流出と放映権

 とはいえ、女子にも栄華の裏側に潜む問題もある。資質の海外流出である。渋野は言った。

 「来年は日本ツアーを中心にして東京オリンピックを目指しますが、2021年に米ツアーにいけるような準備をします」

 既に、今季優勝者の一人である河本結は最終予選会を通過して来季からの米ツアー出場権を得た。渋野も再来年に海外を意識した。賞金女王・鈴木愛、ビジュアル系“飛ばし屋”原英莉花ら多くの若手も海外を視野に入れ、準備している。

 それだけではない。女子プロ協会と大会主催者(主にテレビ局)にある放映権帰属問題である。現在は主催者側にあるが、協会側が帰属を主張して、話し合いは、いまだ平行線のままである。

 今季も協会側の主張に納得できない主催者側が一時、数試合の撤退を表明する事態に発展した。幸い現状維持を条件に、ファン感情を憂慮し、大会開催を優先した経緯がある。協会側は21年以降のツアーに関して、再び放映権帰属を主張する構えでいるが、主催者側も一歩も引き下がる様子はない。ある主催者は「問題は深刻…。一気に3分の1近くの撤退もあるかもしれない」。現在の39試合から大幅な試合減…も示唆していた。

 繁栄の陰で抱える人材流出と放映権…。いずれも21年以降ににやってくる。決して看過できない問題である。(産経新聞特別記者 清水満)

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