テクノロジー

ドローンで山小屋に物資を届けたい 輸送費高騰ヘリコプターの代役務まるか (2/2ページ)

 めどは立たず

 実用化には多くの課題が山積している。ただ、村では2回の実証実験を通じ、安全を確保できる飛行ルート構築のノウハウが蓄積できたとしており、「将来的には必ず実現させたい」としている。

 実証実験は今年も行われる予定だといい、村では昨年中に協議会を開き、浮き彫りになった課題を解決できる方策を検討するとともに、実験をより有意義にするため、そのやり方を話しあったという。

 村内の山小屋は8施設ある。いずれも建物の老朽化が激しい上、食事のメニューが少ないなどの課題を抱えている。ただ、登山者にとって山小屋は、飲食や宿泊のできる施設としてだけではなく、災害の発生時には緊急避難所として利用できるほか、体調を崩した際には診療所としての役割も果たしてくれる。ひとたび山に入れば、公共的な唯一の施設だ。

 ヘリコプター輸送の代替が期待されるドローン輸送。だが残念なことに、実用化のメドは現時点では立たない。ただし、山小屋の経営にとってその行方は、死活問題に直結する重大事なのである。

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