日本市場への期待は
――アマゾンビジネスの大規模なビジネスカンファレンス(Amazon Business Exchange、以下「ABX」と表記)が昨年12月5日、東京で開催されました。イギリス(ロンドン)に次いで2番目の開催です。なぜ日本が2番目となったのでしょうか。
非常にエキサイティングな会合でした。ロンドンより参加者が多かったんですよ。ABXの開催を告知した後の反応がものすごく大きかったですね。アマゾンビジネスへの関心も非常に高まっており大変ありがたく思っています。日本企業のデジタル・トランスフォーメーションを一緒に構築していくために、これからも継続して皆様にしっかりと寄り添っていかなければと思っています。
このようなイベントの開催順は、アマゾンの米国本社が決めているイメージがあるのかもしれないですが、実はそうではありません。ABXは、まずイギリスがやろうと声を上げました。それを受けて日本のマーケティングチームが「イギリスがやるなら日本でもやりたい」と言って開催が決まりました。
――「日本が2番目」というのは、米国・シアトルの本社が決めたのではないんですね。
シアトルから「こんなイベントをやりなさい」と言われてやっているのではないんです。日本のチームが声を上げました。なぜなら、今の日本のビジネス界における調達・購買活動には、ABXのようなイベントが必要だと肌身に感じているからです。
シアトルに届く日本の声
――アマゾンは「GAFA」の一角に数えられる巨大プラットフォーマーです。そうした企業において日本の現場の声がシアトルの本社に届いているとは意外です。
実はアマゾンは、全てにおいてボトムアップの会社です。お客様に近い社員が常にご要望を吸い上げて社内で共有しています。進行中のプロジェクトや取り組みでも常にお客様の声、ニーズを反映しようとしています。お客様の声やご要望がすべての基盤となっている会社と言っていいと思います。
ABXがよい例だと思います。日本のお客様の日々の課題を理解したマーケティングチームがこういった場が欲しいと強く切望しました。それが実現し、多くの日本企業にとって課題となっているデジタル・トランスフォーメーションの解決策を、皆さんと共有できる場を提供できたんだと思っています。
トッド・ハイメス
アマゾンビジネス インターナショナル部門統括責任者
20年以上にわたるアマゾンでのキャリアにおいて、エレクトロニクス、自動車、産業商材などの商品カテゴリーの国際展開を推進。2016年、アマゾンビジネスのヨーロッパ部門責任者に就任。2019年10月より、日本を含む米国以外のAmazonビジネスを統括するアマゾンビジネスのインターナショナル部門総括責任者。
(アマゾンビジネス インターナショナル部門統括責任者 トッド・ハイメス 構成=菅原雄太)(PRESIDENT Online)