メーカー

水素運搬船、次世代エネに道筋 川崎重工が来年度から「豪-神戸」間で実験開始 (2/2ページ)

 一方、日本では今後、発電やFCV向けに水素需要が増えていくと予想されている。液化水素の運搬手段を確立できれば、日本と豪州はウィンウィンの関係を築くことが可能になる。

 川重が開発した運搬船は、2隻が1年間、豪州との間を行き来しただけで、FCV300万台分のエネルギーを賄える計算。日本の港に接岸するまでのコストは、太陽光や風力といった再生可能エネルギーと同じか下回る見通しだが、液化天然ガス(LNG)よりは割高だ。

 それでも運搬船による大量輸送が確立され、世界規模でサプライチェーン(供給網)が構築されれば、大幅なコストダウンが見込める。「脱・炭素」を求める国際世論が強まる中、LNGに近い水準に収まるだけでも十分意義があり、川重の西村元彦・技術開発本部水素チェーン開発センター長は「水素社会の実現に向けて、この液化水素運搬船は不可欠な技術だ」と力説する。

 川重は今後、安全性やコストなどの課題を克服しつつ、30年には4万立方メートル×4基に規模を拡大したい考え。金花芳則社長は「技術的に難しいほど参入障壁も高くなる。社運を懸けている」とプロジェクトの成功に期待している。(井田通人)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus