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寒気南下せず…記録的雪不足に困った 滑れないスキー場が3割も (1/2ページ)

 雪不足で、ウインタースポーツの国際大会中止などが相次いでいる今冬。3割近いスキー場が“稼働”しないだけでなく、各地の雪のイベントも中止になり、「残念だ」などの声も上がっている。暖冬の原因は、北極の寒気が南下しないことのようだが、気象庁の予報では今後1カ月、全国的におおむね気温が高い状態が続くとみられている。

 こんな事態は初めて

 「30年ほど前からやっているが、こんな事態は初めて。楽しみにしている人も多かったのに残念」

 北海道美幌(びほろ)町で26日に開催が予定されていた「びほろ冬まつり」の担当者は、こう嘆く。約30年前から毎年実施されてきた「まつり」は、町内から集めた雪でつくるステージや高さ約3メートルの滑り台が人気だったが、今年は雪が足りず、中止になった。

 ほかにも北海道では、紋別(もんべつ)市で来月予定されている「もんべつ流氷まつり」も、毎年制作されてきた雪を使った巨大迷路が取りやめ。網走市の「あばしりオホーツク流氷まつり」も雪像の制作が中止になった。

 冬のリゾート地でも、悲鳴が上がっている。気象予報会社「ウェザーニューズ」(千葉市)が気象情報の提供などで提携する全国約400カ所のスキー場に調査したところ、滑走できないスキー場は今月21日現在で27・0%に達していた。中でも北陸地方が深刻で、85・0%のスキー場が滑走できない状態という。

 気象庁によると、12月の降雪量は北日本の日本海側で平年の47%、西日本の日本海側では0%。平均気温も例年より高く、東海で1・8度、関東甲信、北陸、九州の北部、南部と奄美で1・4度高かった。例年であれば、12月の気温が高くても年明けから下がるが、今年は1月に入っても下がらない状態が続く。

 気象予報会社「ウェザーマップ」の気象予報士、片山由紀子氏は「北極にある寒気が、例年であれば日本列島近くまで南下してくるが、今年は降りてこない」と原因を分析する。気象庁の分析では、日本列島付近で偏西風が例年より北側を流れていることで寒気が日本付近まで南下しない上、暖かい南風が吹くこともあって、気温が下がらない状態となっている。

 気象庁が今月16日に公表した1カ月後までの見通しでは、平均気温は全国で平年よりも「高い」としており、降雪量も北日本、東日本、西日本の日本海側で平年より「少ない」という。

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