金融

全容見えぬ日本郵政、完全民営化は「絵に描いた餅」 土曜休配も実現せず (2/2ページ)

 そもそも日本郵便は、郵政民営化法で全国一律サービスを義務づけられる。また、第三種(定期刊行物)、第四種(点字郵便など)という格安な政策料金で配達する制度も国営時代のまま残り、毎年約70億円の赤字を垂れ流している。(19年10月12日付本欄「かんぽ不正販売、中途半端な民営化に問題あり」参照 )

 こうした構造上の赤字体質のなかで、手数料収入が大幅に落ち込み、土曜休配も実現しないとなれば、日本郵便のさらなる業績悪化は避けられず、それは親会社の日本郵政を直撃する。

 株式売却見通せず

 日本郵政とかんぽ生命の株価は不正販売によって、大幅下落したままだ。それは、両社が「投資対象ではない」という市場の声だ。

 現在、日本郵政への政府出資比率は約57%。本来なら昨年秋に株式の最終売却を行い、民営化法が定める3分の1超まで比率を下げるはずだった。

 また、日本郵政はかんぽ生命の株式の約65%を保有する。日本郵政の出資比率が過半の現状では、新商品の認可などに大きな制約がある。だから、かんぽ生命は、まずは同比率を5割未満にすることを目指してきたが、当然ながら現状ではそれすらおぼつかない。

 郵政民営化委員会の岩田一政委員長は1月の委員会で、増田氏と日本郵便社長、かんぽ生命社長に「民営化の終了(完全民営化)時にどういったビジネスモデルを展開しているか3人で共有してもらいたい」と注文したという。

 しかし、日本郵政によるかんぽ生命やゆうちょ銀行の株式売却は、民営化法のあいまいな規定もあって元来、全株放出には懐疑的な見方も少なくなかった。(18年4月1日付【日曜経済講座】「迷走する日本郵政グループ 描けない完全民営化のスキーム」参照)

 そこに今回の終わりの見えない不祥事に対する投資家の厳しい見方が加わり、現状では完全民営化など「夢のまた夢」といった感すらある。(福島徳)

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