広報エキスパート

第一三共 海外で認知度アップへ積極発信 (1/2ページ)

 第一三共 コーポレートコミュニケーション部長・大沼純一氏に聞く

 --循環器領域からがん事業中心に大きく変革しています

 現在進行中の第4期中期経営計画(2016~20年度)では、「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」という2025年ビジョンを掲げ、トランスフォーメーション(転換)を進めています。これまでの高血圧などの循環器領域を中心とした事業から、がん領域を中核事業として、スタンダードオブケア(標準治療)を変革する革新的な医薬品を創出し、当初掲げていた25年度のがん事業売り上げ目標5000億円を上回る成長を目指しています。

 --独自の技術でがん治療薬を開発しました

 化学療法剤は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を及ぼすため、副作用が課題です。一方、抗体医薬品は、がん細胞を選択的に狙い撃ちできますが、薬効が不十分な場合があります。ADC(抗体薬物複合体)は両剤の強みを生かしつつ、弱みを補完する薬剤といえます。当社は独自の技術で、革新的なADC「DS-8201」を開発しました。DS-8201の最初の患者さんへの投与が15年。米国ではそれからわずか4年という記録的な早さで、転移性乳がんを適応として、昨年12月に承認を取得し、今年1月から販売を開始しています。製品名は「エンハーツ」です。社員も皆、この大きな成果にがん事業への自信を深めており広報としてもうれしく思っています。

 --今後の展開は

 昨年、製薬大手の英アストラゼネカ(AZ)とDS-8201の共同開発・共同販売について提携しました。AZとの提携により、当社単独では成し得ない規模とスピードで、乳がんのほか、胃がん、肺がん、大腸がんなど、複数のがん種を対象に開発・商業化を加速していきます。

 --広報体制は

 コーポレートコミュニケーション部は、マスメディア対応、社内報の発行を中心とするER(エンプロイーリレーションズ)、コーポレートブランディング、ソーシャルメディア、コーポレートウェブサイトを担当する広報グループ(9人)と、国内外の機関投資家、株主との対話を担当するIRグループ(8人)から構成されています。海外では米国、欧州、ブラジル、韓国に広報担当者がおり、随時メールで情報交換を行うとともに月1回の電話会議でグローバルでの連携を強化しています。

 --社内報が読まれています

 社内報「PATIO」(季刊)は、グループ社員をつなぐコミュニケーションツールとして定着しており、「2018年度経団連推薦社内報」では「総合賞」を受賞。6年連続での受賞となりました。PATIOとは、スペイン語で「中庭」を意味します。「中庭を訪れた人が自由に集い語らうコミュニケーションの場」としての存在を目指していきます。

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