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今年の夏はウナギお安く? 稚魚豊漁、前期採捕量0.1→8.9トンに (1/2ページ)

 昨年の漁期に記録的な不漁となったニホンウナギの稚魚、シラスウナギが豊漁だ。水産庁によると、今年の漁期前半に当たる昨年11月から1月末までの国内採捕量は8.9トンと、前年同期の0.1トンを大きく上回った。ウナギのかば焼きの価格は近年高騰してきたが、「土用の丑(うし)の日」で需要が増える夏場には昨年より値下がりの可能性が出ており、小売店や家計には朗報となりそうだ。

 採捕された稚魚は養殖池に入れて早ければ約半年で成魚として市場に出荷される。漁期前半に国内の養殖池に入れた量は輸入稚魚を含めて11.4トンと、前年同期からほぼ倍増した。中国や台湾でも採捕は順調だという。

 近年の国産ウナギの価格は高止まりしており、総務省の小売物価統計調査によると、かば焼きの価格は100グラム当たり1279円(東京23区の昨年平均)と10年前から5割程度も値上がりした。だが、今年は「夏以降に小売店に並ぶものに値下がりが見込まれる」(業界関係者)。

 東京都内の小売店担当者は「近年の価格高騰は行き過ぎだ。仕入れ値が下がれば価格を安くしてもっと売っていきたい」と期待する。一方で東京・日本橋のウナギ料理店の経営者からは「新型コロナウイルス感染症の拡大で予約キャンセルの嵐となっており、簡単に値下げとは言えない」との声も出ている。

 乱獲が指摘され、絶滅危惧種に指定されているニホンウナギの稚魚の減少傾向に、これで歯止めがかかるかどうかも予断を許さない。採捕量は年ごとに大きく変動する特徴があり、昨年の漁期は4月末ごろまでの通期で3.7トンと過去最低だった。水産庁は「資源状況は長期的にみないと推定できない」と強調。今年の採捕が好調となった理由も「分からない」としている。

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