テクノロジー

新型コロナの蔓延防止へ 計算機ができることは何か (2/2ページ)

 こうして完動する基板64枚がそろって、やっと一つのマシンが出来上がる。その後もソフト開発、チューニングと課題は山積みだったが、ようやく昨年11月にマシンは実際の計算に着手するところまでこぎ着けた。

 このマシンでタンパク質と薬分子の相互作用を高速にシミュレートできることは創薬応用にも有効である。実際、開発は国内製薬会社との連携も図りながら行ってきた。

 やっとマシンが稼働し一息付けるかと思ったのもつかの間、新型コロナウイルスの世界的蔓延に直面し、目下このマシンの特徴を生かした貢献を模索する日々である。

 この未曾有の事態に計算機がどこまで貢献できるかは未知数で、現行機1台でやれることには限りがあるが、世界中の計算機資源の集結、情報共有によって見えてくる地平に期待したい。何年も先の話になるがチームではさらに高速化した量産型次世代機の開発ももくろんでいる。

 そこに向けたGOサインが出るかどうか、私が開発に携われるかはわからないが、せめて次の春には花見の集いが催せることを祈るだけである。

 【プロフィル】小松輝久(こまつ・てるひさ) 長崎県出身。東北大大学院理学研究科。博士(理学)。現在は理研BDR計算分子設計チーム研究員。分子動力学専用スパコンの開発と応用に携わっている。スキーは初級レベルだが、毎年ちょっとずつ体の使い方の発見があって細く長く楽しんでいる。

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