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緊急事態延長に関西企業からも悲鳴 外食・レジャー・ホテルなどに危機感  (1/2ページ)

 安倍首相が4日、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた緊急事態宣言の5月31日までの延長を表明した。外出自粛による客足の落ち込みや、休業、営業時間の短縮などを続けざるをえない外食、レジャーといった業界からは「苦しい」との悲鳴が上がる。雇用へも悪影響が広がる恐れがあり、民間の試算では、経済損失額が45兆円へと当初から倍増する見通しだ。

 本当にショック

 「宣言が延長されれば営業は厳しい。宣言が解除されても、消費マインドは落ちている」

 回転すしチェーン、くら寿司の広報担当者はこう語る。3月の既存店売上高は前年同月比15・5%減と急落した。今後も「持ち帰り需要で売り上げをつなぎ、カバーする」としている。

 「営業縮小などの努力をしてきたことに、せめて見返りがほしい」。こう話すレストラン・バー「コベントガーデン」(大阪市)経営者、梅田りささんも、「延長は本当にショック。期間がズルズル延びるなら不安ばかりが募る」と述べた。 

 レジャー業界では、ボウリング場などを展開するラウンドワンが今月1日、三井住友銀行など4行から計160億円の融資枠を確保したと発表した。全103店舗を臨時休業中だが、宣言延長を見込み、5月7日の予定だった営業再開を延期することも公表した。

 雇用も懸念

 百貨店では、東武百貨店が宣言延長を見込み、5月6日までとしていた休業期間を「当面の間」へ延長。食品売り場を除き、全店を臨時休業中の近鉄百貨店は今後の営業について、「政府や自治体の方針を見ながら決めるしかない。先が見通せないのは苦しいが協力して感染拡大を防ぐことが重要だ」としている。

 旅行の自粛などで宿泊業界も打撃を受けている。日本ホテル協会の調査によると、業界の4月の売上高は見込みも含め、前年同月比87%減。協会は宣言延長で「より厳しい状況になる」と予想した。

 一方、売り上げが伸びているスーパーも「現場が疲弊していないといえば嘘になる」(ライフコーポレーション)としている。

 心配されるのは雇用への悪影響だ。4月24日に破産手続きの開始決定を受けたカプセルホテル大手のファーストキャビン(東京都)は同日付で、関連5社に属する約400人の従業員を解雇した。

 突然、解雇を通知された従業員の一人は、「成長が鈍化するのではと以前から感じてはいたが、これほど経営が悪化していたとは…」と声を詰まらせた。

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