高論卓説

新型コロナ拡大で多様な働き方本格化 個人や企業が進化試される (1/2ページ)

 こんなに長く新型コロナウイルスの影響を受けることなど誰も想像していなかったのではないだろうか。筆者の周りでも大きな打撃を受けている人が多い。(芝蘭友)

 舞台女優の人は、舞台が全て中止となりチケット代金の返却に追われたという。また企業を相手に研修をしていたコンサルタントや講師は、単発研修も長期研修の予定も全てなくなったという。子供の習い事にかかわる講師も打撃を受けている。筆者も趣味でドラムを習っているが、「3密(密集、密閉、密接)」が発生する場であるため再開はコロナが落ち着いてからという連絡があった。

 最も打撃を受けているのが観光業、次に飲食業だという。どちらにも共通することが施設という「場」を持ち、大勢の人に来てもらわなければ成り立たないというビジネスである。飲食店の現状を取り上げた報道も多く見受けられた。売り上げが月1000万円程度という飲食店が自粛を余儀なくされ、テークアウトをはじめて乗り切ろうとしたという取り組み。それでも売り上げが月100万円に満たないという報道である。飲食店は、売り上げの約1割が地代であると言われている。

 売り上げが月1000万円であれば、家賃は月100万円前後となる。テークアウトを始めようが売り上げが月100万円に満たないようでは家賃も払えないということである。新型コロナが明確にしたのは、実際に会うことによってしか成立しないビジネスなのか、否かではなかっただろうか。

 まさに実際に会うことでしか成立しない仕事が医療である。医療従事者が完全なリモートワークなどということでは仕事が成り立たない。目の前の患者を見て、触れて、診断して、対応して、治療するのが仕事である。まさに、命の現場の最前線に立って戦う場にいる人たちだ。だからこそ、世界中から医療従事者を応援しようという流れが出てくる。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus