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選手の体調、ベンチャー企業がITで見える化 高齢者の病気予防にも (1/2ページ)

 食事や睡眠の質、体の疲労度までITを駆使したデータ活用で数値を「見える化」し、オンラインシステムで選手の体調管理を支える動きがスポーツ界で広がる。来夏に延期された東京五輪・パラリンピックに向けて利用する競技団体も増加し、新型コロナウイルス対策としてスマートフォンで手軽に基礎チェックできる機能も開発された。高齢化社会の日本で健康管理にもつながると関心が高まりつつある。

 日本代表にじわり

 けがを予防し、極限まで鍛えて最高のパフォーマンスを発揮するには、どうすればいいのか。選手の悩みを解決する専用ソフト「ワンタップスポーツ」を提供するのは、スポーツと最先端テクノロジーを融合させた「スポーツテック」分野でビジネス展開するベンチャー企業「ユーフォリア」(東京都千代田区)。昨年のラグビー・ワールドカップ(W杯)で8強入りした日本代表が8年前から導入し、現在は視覚障害者らによる5人制のブラインドサッカーなど16競技の日本代表のほか、国内外で40競技、350チーム以上が取り入れているという。

 「自分の体を客観的に判断できるデータを共有することで選手の自己管理能力が高まった」。サッカー女子のプレナスなでしこリーグ、INAC神戸の高橋寿輝強化育成部長は効果を実感する。

 緊急事態宣言は5月25日に全国で解除されたが、選手は食事や脈拍など基本データをクラウド上で一元管理して最適な練習と回復のサイクルを組み合わせるだけでなく、コロナ対策でも体温、倦怠(けんたい)感、せきの有無、嗅覚・味覚異常など6項目を毎日入力。問題のあるデータは「アラート表示」で警告され、感染拡大防止につなげる仕組みだ。

 小さな変化逃さず

 五輪・パラが延期になり、選手にとって心身両面でピークの合わせ方は大きな課題でもある。ユーフォリアの宮田誠共同代表は「7、8月に合わせて準備したものを一回壊してやり直す。数値を見える化してピーキングを追うためのツールが、まさにワンタップスポーツ」と効用を説明した。

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