大学発 日本 人と技術

日本を支える研究活動と技術開発 (2/2ページ)

 空調付きオフィスチェア「クリマチェア」完成

 ≪工学院大学≫

 空調機能を備えた椅子を研究している建築学部建築学科の野部達夫教授の研究成果をもとに、ダイダン株式会社と株式会社オカムラが「クリマチェア」を完成させ、第18回環境・設備デザイン賞の設備器具・システムデザイン部門で最優秀賞を受賞した。

 「クリマチェア」の送風モードは、座面から空気を吸い込み、座面脇のノズルから風を身体に吹きつける仕組み。また、加熱モードでは座面のヒーターが作動して身体を暖める。

 同大学は、産学連携に力を入れており、日本最大級の産学マッチングイベント「イノベーション・ジャパン2019~大学見本市&ビジネスマッチング~」では、2019年度に27件が採択され、出展した実績がある。

 学生が「マスク非着用警告システム」製作

 ≪大阪電気通信大学≫

 情報工学科と大学院情報工学専攻の学生有志が「マスク非着用警告システム」を製作、寝屋川キャンパスのJ号館1階エントランスに設置した。カメラでとらえた通行人の画像から、マスク着用の有無を判別してモニター上に警告を表示するもので、一度に複数人を検知できる。認知性を上げるためにカメラで撮影した映像を鏡のように表示し、モニターに映る姿を自分だと認識しやすいように工夫をしている。

 開発に携わった学生は、「マスクの着用を一人ひとりに呼びかけることは難しいが、マスク着用の意識を高められたらうれしい」と話している。

 水溶液中のプラズマ照射で光触媒の性能向上

 ≪東京理科大学≫

 光触媒国際研究センターの寺島千晶教授、藤嶋昭栄誉教授らの研究グループは、水溶液中でプラズマを十面体のBiVO4(バナジン酸ビスマス)に照射する方法を用いることで、光触媒としての能力が向上することを発見した。

 プラズマを8時間照射した十面体のBiVO4では、プラズマを照射していない十面体のBiVO4の約1.5倍の高い酸素発生速度を達成した。近年、化石燃料に代わるクリーンなエネルギーとして水素への注目が集まっており、光触媒によって水を分解して水素を生成する研究が進められている。

 本研究では、BiVO4の光触媒の性能が、プラズマ照射というシンプルな方法で向上することを示したことに加え、多面体を持つほかの光触媒についても同様の処理を行うことで触媒効果が向上する可能性を示しており、光触媒性能が向上すれば、水素の生成だけでなく、有機物や細菌の分解、土壌や水の浄化、空気の清浄化などへも応用でき、環境問題、エネルギー問題の解決に貢献する可能性がある。

 【ガイド】

 工学院大学 E-mail:gakuen_koho@sc.kogakuin.ac.jp

 芝浦工業大学 E-mail:koho@ow.shibaura-it.ac.jp

 千葉工業大学 E-mail:cit@it-chiba.ac.jp

 東京電機大学 E-mail:keiei@jim.dendai.ac.jp

 東京理科大学 E-mail:koho@admin.tus.ac.jp

 東京都市大学 E-mail:toshidai-pr@tcu.ac.jp

 大阪工業大学 E-mail:kikakuka@ofc.oit.ac.jp

 大阪電気通信大学 E-mail:kouhou@osakac.ac.jp

 金沢工業大学 E-mail:koho@kanazawa-it.ac.jp

 豊田工業大学 E-mail:s-koho@toyota-ti.ac.jp

 広島工業大学 E-mail:kouhou@it-hiroshima.ac.jp

 愛知工業大学 E-mail:d-koho@aitech.ac.jp

 埼玉工業大学 E-mail:kikaku@sit.ac.jp

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