ファントムは、LEDライトが埋め込まれた長細い基板が高速回転することで、インターネット回線を通じて送られた映像データを基に作成されたホログラムが宙に浮かび上がるように見せる仕掛けだ。
国や自治体によるデジタルサイネージ(電子看板)導入に向けた助成金を活用することができるため、問い合わせ事業者のほとんどが助成金を使った上での購入を検討しているという。
大貫氏は、飲食店が看板として利用するだけでなく、電子広告として活用することも提案する。例えば、ファントムを設置した飲食店が、電子看板に何も表示されない所定の時間帯を広告枠として広告代理店を通じて売り出し、広告契約を獲得する構想だ。広告主には、飲食店で提供する飲料の大手メーカーなどが想定され、飲食店には広告収入という新しい収入の柱が生まれる。
店内で感染対策を呼び掛ける映像を流そうと導入を決めた飲食店もある。東京都渋谷区でバーを運営する会社社長の吉川泰氏は、来店客に対し手指消毒やマスク着用をお願いするメッセージ映像を投影して使う予定という。
吉川氏は「映像が浮かび上がる様子はお客さまの目を引くインパクトがあるので、注意喚起するアイテムとしてとても良い」と期待を示した。
AI(人工知能)搭載の警備システムを展開するホワイトボード(東京都千代田区)が開発したシステムでは、店内の混雑状況を自動的に検知し、店員がいなくても音声と映像で来店客を誘導することが可能という。店員の業務負担を増やさずに来店客に安心して入店できる目安を示すことで、効率的に混雑を回避しながら誘客することが期待できる。
国土交通省は6月から、飲食店が軒先の歩道などを活用して営業できるよう、道路の「占用許可」の基準を緩和した。11月末までの限定措置で、店舗周辺の清掃に協力すれば占用料は全額免除される仕組みだ。テラス席を設けたり、持ち帰りメニューの販売をしたり、3密を避けた新しい店づくりを後押しする。外食産業と他業態との連携がさらに広がりそうだ。(岡田美月)