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日産コロナ禍で再建険しく 「選択と集中」の戦略いかに (1/2ページ)

 巨額赤字にあえぐ日産自動車が、収益構造改革を目指す2020~23年度の中期経営計画「ニッサン ネクスト」の実践を本格化し始めた。三菱自動車、仏ルノーとの3社連合の「分業体制」を下支えに、前会長のカルロス・ゴーン被告時代の負の遺産だった余剰生産能力を2割削減しコストを圧縮。一方、15日に発表する最新型電気自動車(EV)「アリア」など独自技術を盛り込んだ新型車を日米中3大市場に連続投入する「選択と集中」で、再建を図る戦略だ。だが新型コロナウイルス禍という最悪のタイミングで自動車需要が伸び悩む中、計画断行は険しい道のりとなる。

 アリアで反転攻勢

 「新しい時代の日産の顔です」。6月29日、横浜市の本社での株主総会。内田誠社長はアリアで反転攻勢に臨むと強調した。しかし、20年3月期の最終赤字6712億円を受けた株価低迷と期末配当ゼロにいらだつ株主からは「将来ビジョンがない」と厳しい声も飛んだ。

 台数は追わず1台当たりの収益性を高め、23年度末に本業の稼ぐ力を示す「営業利益率」5.0%以上への回復を目標とした中計実現の柱が、「1年半で12車種投入」とした新型車攻勢だ。

 翌30日に国内発売した電動小型スポーツ用多目的車(SUV)「キックス」は、エンジンを発電専用としてモーターのみで走行し、ガソリンを給油するだけでEVの運転感覚が味わえるハイブリッド技術「eパワー」搭載車だが、タイでは発表済みだった。

 これに対し、アリアは最新技術を詰め込んだ“日本発”の完全新型EVだ。特長は、まだ少ないSUVの純EVというジャンルだけではない。従来の車と大きくレベルの異なる乗り心地の安定感や運転感覚を実現する2モーターでの独自四駆制御技術「e-4ORCE(イーフォース)」が肝と関係者は語る。

 日産は10年前に世界初の量産EV「リーフ」を発売した。イーフォースはその経験に、スポーツカー「GT-R」などで培った四駆技術を融合。左右の車輪どちらかだけにブレーキをかけたりモーター出力を変えたりし、1万分の1秒単位で緻密に制御。雨の急カーブでも横滑りを感じないほどで、開発者は「四駆といっても車好き限定ではなく、初心者も安定してうまく走れる。ワクワクする運転の楽しさが提供できる」と力説する。

 日産は中計期間中、国内ではアリアの他、軽自動車サイズのEVを1車種加える予定。eパワー搭載車もキックスを除き、3車種追加する。

 “半自動運転”ともいえる高度な運転支援技術「プロパイロット」も組み合わせて独自性を高める考えだが、現在25%だという電動化率を「60%」とするのは極めて高い目標といえる。

 3社連合で「分業」

 並行して力を集中するのが、巨大市場の米中だ。

 EVなど「新エネルギー車」の普及政策が進む中国市場では、電動化率23%への向上を目標にEVを7車種に増やす他、eパワーも本格展開。HV用次世代型電池について6月、中国の電池メーカーと共同開発に向けた検討を始めた。

 世界販売の3分の1を占める米国でも、日本の「エクストレイル」に当たるSUV「ローグ」を皮切りにSUV「パスファインダー」と「QX60」など8つの新型車を投入予定。また、収益悪化の要因となっていた過剰在庫を2割削減する。

 その一方、インドネシアやスペインで工場を閉鎖する方針だ。こうした日米中集中戦略の下支えは、3社連合が5月末に発表した世界規模の分業体制だ。

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