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「コメが毎月積み上がっている」日本酒の出荷激減 来年の酒米に影響も (2/2ページ)

 北海道酒造組合によると、道内の日本酒の出荷量は2月から減少。4月は前年同月比6割減の約196キロリットルにとどまった。6月も同4割減の約221キロリットルと本格的な回復に至っていない。

 昨秋収穫された酒米を今年10月以降の仕込み用に持ち越している酒蔵もあり、来年の酒米の需要が今年の半分以下となる可能性もあるという。

 コロナとどう共存

 道産日本酒の在庫解消が課題となる中、道は、道内の商業施設で開く道産食品フェアで、道産酒米で製造された日本酒を集めて販売する。札幌市中央区の大丸札幌店では、8月11日までの期間中、道産米酒28種を店頭に並べた。

 酒蔵も対策を取る。旭川市の「男山」は今年瓶詰した酒が余剰在庫となり、複数種類の酒をタンクに戻してブレンドした新商品「男山 諸事情」を手ごろな価格で発売した。

 7月15日に地元で始めた先行販売では完売。「少しでも在庫を減らし、例年通りの仕込み数量を継続したい」と、今月7日から数量限定で全国販売を始めた。

 日本酒の消費低迷は、道外各地でも問題となっている。日本酒造組合中央会によると、全国の組合員各社の4月と5月の出荷量は前年比2割超も減少した。

 道外では、余剰在庫となった酒米を食べて応援しようという動きもある。コロナと共存する社会において、日本酒と酒米の生産をどのように維持するか、模索が続いている。

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