第3はサイクルツーリズムへの対応である。三浦半島ではサイクルツーリズムが提唱されており、各自治体ではレンタサイクルの設置などが進んでいるが、鎌倉オーバーツーリズムを解消するような広域の連携がない。鎌倉で借りたレンタサイクルを葉山で乗り捨てるようなサービスにはなっていない。道路の整備とともに休憩所・案内所の設置など移動サービスの拡充が欠かせない。
これらの戦略を実現し、足りないところは新たな新モビリティーシステムを導入することで、鎌倉のオーバーツーリズムを解消し、宿泊を伴う広域の観光により地域で稼げる観光が実現する。
既存の交通インフラに新たなMaaSの取り組みを付加する「観光型ハイブリッドMaaS」が、全国で自治体や地元企業との連携で早期実現することが期待される。
【プロフィル】吉田就彦 よしだ・なりひこ ヒットコンテンツ研究所社長。1979年ポニーキャニオン入社。音楽、映像などの制作、宣伝業務に20年間従事する。同社での最後の仕事は、国民的大ヒットとなった「だんご3兄弟」。退職後、ネットベンチャーの経営を経て、現在はデジタル事業戦略コンサルティングを行っている傍ら、ASEANにHEROビジネスを展開中。富山県出身。