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在宅応援「カジュアルギフト」 流通・食品各社が強化、自家向けに需要も (1/2ページ)

 新型コロナウイルスの感染拡大で先の見えないギフト市場。特に中元・歳暮の縮小に歯止めがかからない状況だ。そんな中、流通や食品各社が期待するのがごく親しい人に贈る「カジュアルギフト」。「巣ごもり消費」の拡大を機にインターネットでの購入が伸びているほか、“自分にごほうび”感覚での自家消費も多く、コロナ下での需要につなげようと各社が商品やサービスを強化している。

 縮小続く中元・歳暮

 民間シンクタンクの矢野経済研究所が今年2月に発表した市場調査は中元・歳暮の2020年の市場規模を1兆5750億円と予測。毎年縮小が続き5年前からは13.3%減となった。ギフト市場全体では前年比1.7%増の10兆9150億円を予測したが、コロナの影響が織り込まれておらず、マイナスとなる可能性が高いという。

 背景には会社の上司へ贈るなどの儀礼的な習慣をやめる傾向がある。その半面、ごく親しい人に対し、自分が買ってみてよかったと感じる品などを日常的に贈る「カジュアルギフト」は急成長している。

 高島屋大阪店(大阪市中央区)では、カジュアルギフトの今年3~8月の売り上げが前年の約2倍に急増した。「『こだわりの品を試してほしい』『日頃の感謝を伝えたい』など、形式にとらわれず相手本位の贈り物をする人が増えている」(同店の広報担当者)という。

 阪急百貨店梅田本店(同市北区)は10月、ホールケーキを冷凍して全国へ宅配する新事業を始めた。例年、同店で売れるホールケーキは約15万個で、売り上げは年間約5億円に上る。昨年から生ケーキの配送を始めたが、型崩れしやすいため大阪市などに地域を限定していた。全国の百貨店で例がない有名ブランドのケーキを冷凍で届ける仕組みをつくることで、カジュアルギフト需要の取り込みを全国に広げ、22年度に20万個、10億円の売り上げを目指す。

 食品メーカーもカジュアルギフトへの進出を急ぐ。江崎グリコは百貨店向けの高級ポッキー「バトンドール」シリーズの過去最高価格商品「リシェエドゥ」を7日、高島屋大阪店と阪急百貨店梅田本店で発売した。グリコの広報担当者は「コロナ禍で応援ギフトや感謝ギフトが増えている。あまり外出できない分、たまにはぜいたくなものをと考える傾向が高まっている」と話す。価格は1本800円(税別)。一般的に1粒数百円以上が高級チョコといわれる中、それを上回る。

 カジュアルギフトの流行は従来の中元・歳暮で定番だった商品にも波及する。

 日本ハムは中元・歳暮商戦向けとして高級ハムやソーセージの幅広い商品群を持つが、今年はスーパーでの販売が主力のソーセージ「シャウエッセン」のギフト専用商品(税別3000円)を、近年増えている歳暮の自家消費向けに売り出す。外出自粛などで、自宅の食卓をより豪華に楽しみたい人が増えており、通販カタログ事業などを手がける千趣会は「ギフトの中で食品の割合が高まっている」と指摘する。

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