ビジネスアイコラム

関西で根付く日露文化交流 政治的対立絶えない両国の理解を促進 (1/2ページ)

 ロシアとの直行便がなく、経済分野では同国と関係が希薄な関西だが、ロシア文化をテーマにした大がかりなイベントが活発に展開されている。原動力となっているのは、結婚などを経て関西に住むロシア人のお母さんたちだ。日露交流の促進とともに、子供に自国の文化を伝えたい思いもあるという。

 「一人の感染者も出さずに無事終了することができ、本当に良かった」。こう安堵(あんど)の表情を浮かべたのは、京都市在住のビクトリア・トルストワさん(51)。主催する「ロシアカルチャーセンター京都」は9月末、大阪市内のイベント施設で、ダンスや歌謡、ロシア料理店のバザーなどを楽しめるロシア文化フェスティバルを開催した。

 新型コロナウイルスの感染予防を徹底したため、参加者は約500人と普段より少なかったが、「開催できただけでも良かった」と振り返る。日露双方の子供たちも多く訪れ、マトリョーシカ作りなどを楽しんだ。

 トルストワさんは露極東マガダン出身。ハバロフスクの舞踊団に所属し、来日した際に知り合った日本人男性と結婚。1998年に来日し、京都に住んだが、「前世が日本人だったんじゃないか」と思うほど、箸の使い方から食事、文化など、日本の生活に溶け込めたという。男性とはその後離婚したが、京都に住み続け、日舞を学ぶなどして日本で生活を続けた。

 しかし、故郷・ロシアへの思いも強かった。自ら日露交流団体を立ち上げることを決意し、2016年に日露交流イベントや、ロシア人の親を持つ子供向けに、ロシア語やダンスなどを教えるロシアカルチャーセンター京都を発足させた。政治的な対立の絶えない日露間の理解を促進させるためにも、文化交流が必要との思いもあった。17年2月に京都国際交流会館で初開催した日露交流フェスティバルは約5000人もの観客が訪れ、大成功で終えた。以後、年に複数回のペースで京都を中心にイベントを開催。彼女は今、関西に日露の文化交流拠点を設立する可能性も模索しているという。

 神戸市でも同様の動きがある。歌手としても活動するミレーナ・ヌルペイソワさん(39)は18年、「在日本ロシア文化支援センター・ローディナ」を立ち上げた。ローディナの最大の特徴は、ロシア文学の舞台のような美しい「舞踏会」を展開している点だ。

 ヌルペイソワさんはソ連時代のカザフスタンで生まれたロシア人。サンクトペテルブルクで学んだが、歌が好きで十代の頃から現地の歌謡コンクールに参加し、幾度も優勝を飾った。歌唱力に注目した日本のイベント会社を通じ、1998年に来日。和歌山県を中心に歌手活動を開始した。

 その後、拠点を本格的に日本に移す中、2016年に神戸でロシアフェスティバルに参加する機会があった。しかし、主催団体が活動を停止したため、18年に自らローディナを立ち上げた。

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